香港には「オクトパスカード」という、日本のSuicaやPASMOに似た交通系ICカードがあります。
公共交通機関だけでなく、日々の買い物でも使えて便利なので、ほぼ毎日使っているのですが、先日日本のSuicaと違う点に遭遇しびっくりしたので、今回は日本の交通系ICカードとの違いと、購入方法やチャージ方法などについて記事にしたいと思います。
オクトパスカードについて
オクトパスカード(八逹通)とは、香港で発行されている交通系のICカードとなります。
日本のSuicaなどと同様に、地下鉄やバスなどの公共交通機関の支払いだけでなく、スーパーマーケットやコンビニなどの買い物でも、支払い手段として使えます。
香港では、日本のPayPayのようなQRコード決済があまり普及していないため、キャッシュレスの決済はオクトパスカードが一番使いやすく、在住者だけでなく香港旅行者にとっても必須のアイテムです。
オクトパスカードの種類について
オクトパスカードは、標準カードとして下の4種類のラインナップがあります。
カード種類 | 購入額 | デポジット額 | 初期チャージ額 | 手数料 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
大人用 | HK$150 | HK$50 | HK$100 | 無し | |
子供用 | HK$70 | HK$50 | HK$20 | 無し | 3-11歳まで |
高齢者用 | HK$70 | HK$50 | HK$20 | 無し | 65歳以上 |
パーソナライズドカード | HK$100 | HK$50 | HK$30 | HK$20 |
パーソナライズドカードはカードに名前や顔写真などの情報が載りますが、発行まで30日ほどかかりますので、通常の旅行者が使うのはそれ以外の3種類のうちのいずれかになるでしょう。
標準カード以外では、銀行と提携したBank Co-Brand Octopusや、中国本土の人民元も使えるCross Border Octopusなどのラインナップもありますが、いずれも発行には銀行口座などの制限がありますので、香港在住者向けです。
また旅行者向けにはデポジット額のない、買い切り型のオクトパスカードもあります。ただしカード費用がHK$39かかりますので、もし再び香港に旅行に来る予定がある方は通常のカードの方がいいかと思います。
オクトパスカード 日本の交通系ICカードとの違い
オクトパスカードの基本的な使い方は、後述の通りほぼ日本の交通系ICカードと同じです。
最大の違いは、オクトパスカードは残高がマイナスになっても一度限りであれば使える、という点になります。(ただしHK$35まで)
このため、例えば地下鉄から降りる時に残額不足になっても、精算をすることなく改札を抜けることができます。残高が足りなくて改札で引っかかってしまう、ということがありませんので、この点は日本のSuicaでも導入してくれるといいなと思います。
こちらがとある日の実際のオクトパスカードの残高の画面です。HK$300をチャージしたのに、残高がHK$271.6しかありませんので、チャージ前はマイナスHK$28.4だったということになります。
この時は、そろそろチャージしないといけないかなと思い、端末で残高を確認したところマイナスと出ていました。日本では残高がマイナスになるのはあり得ないので、かなり焦ってしまいましたが、普通にチャージすることができ、その後も問題なく使えています。
ちなみに、一度マイナスとなってしまった場合は、次にチャージをするまでオクトパスカードは使えませんので、その点は注意が必要です。
オクトパスカードの購入方法やチャージ方法
今回一番お伝えしたかったのは、オクトパスカードは残高マイナスになっても使えるということなのですが、せっかくですので購入方法とチャージ方法についても説明します。
どこで買えるのか?
オクトパスカードの購入場所はいくつかありますが、一番わかりやすいのは香港の地下鉄であるMTRのカスタマーセンターです。
ほぼ全てのMTRの駅のカスタマーセンターで取り扱っています。英語が苦手な方でも、窓口に行って「オクトパスカード、プリーズ」と言えば通じると思います。もし不安であれば、一緒にオクトパスカードの写真を見せれば理解してくれるでしょう。
チャージできる場所①:MTRの端末
MTRの駅にある端末からチャージをすることができます。(ちなみに香港では、チャージのことを「Add Value」「増値」と書きます)
端末の黄色いところにオクトパスカードを置くと、自動でチャージ画面になりますので、画面のタッチパネルで「Add Value/増値」を選んで、金額を投入するとチャージ完了です。日本の券売機でのSuicaのチャージ方法とほぼ同じなので、感覚的に迷わずにチャージができると思います。
こちらの端末では、チャージ以外にも切符の購入もできます。切符の購入の時には、50セント以上の硬貨と、HK$10〜100のお札が使えます。ただしチャージの時はHK$50とHK$100しか受け付けていませんので注意です。
駅によっては旧式の端末のところもあります。この端末の場合は、
- 左側のカード差し込み口にオクトパスカードを挿入
- チャージ金額を投入
- 画面右の取り出しボタンを押してカードを回収
となります。旧端末の場合はHK$50札とHK$100札しか使えません。
チャージできる場所②:コンビニエンスストア
香港の街を歩くと、セブンイレブンやサークルKなど、日本でもお馴染みのコンビニエンスストアを見かけると思います。オクトパスカードへのチャージは、街中のコンビニエンスストアでも可能です。
コンビニの店員は大抵が中国語(広東語)しか通じませんが、もし言葉が通じなくても、チャージしたい現金とオクトパスカードを渡せば、大抵の店員は理解してくれるはずです。
オクトパスカードが使える店は?
公共交通機関であれば、MTRやバス、また香港島と九龍を結ぶフェリーでもオクトパスカードは使えます。
また買い物でも、スーパーやコンビニエンスストアはもちろん、かなり小規模な商店でもオクトパスカードは使えます。日本の交通系ICよりも幅広いお店で使える印象です。
香港では現金で買い物をしていると、あっという間に財布が小銭だらけになってしまいますので、オクトパスカードが使えるお店では積極的に使うようにしています。
まとめ
以上、香港生活で必需品であるオクトパスカードについての紹介でした。
香港ではキャッシュレス決済の手段が多くないということもあり、手軽に決済ができるオクトパスカードが必需品です。
日本人にとってはSuicaのような交通系ICカードとほぼ同じなのですんなりと使えるとは思いますが、日本のものとは違う点もありますので、今回の記事が参考になれば幸いです。
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